3.6. ディスク領域の割り当て

最初の課題は、FreeBSD 用にディスク領域を割り当て、 sysinstall(8) が使えるようにラベルを作成することです。 そうするためには、FreeBSD がディスク上にどのような情報があることを前提としているかを知らなければなりません。

3.6.1. BIOS ドライブの番号付け

FreeBSD をインストールして設定する前に、 FreeBSD がどのように BIOS ドライブマッピングを取り扱うかを理解しておくことが重要です。

Microsoft® Windows® のような に依存したオペレーティングシステムが動いている PC では、 BIOS がディスクドライブの順序を構成でき、 OS はその変化に追従します。これにより、"プライマリマスタ" 以外のディスクから起動することができます。 この仕組みを用いればシステムのバックアップを取る簡単な方法を構築できます。 もう一つ同じディスクを買い、 一つ目のディスクから二つめのディスクへのコピーを定期的に取ればいいのです。 そして、一つ目のディスクに障害が起きたり、ウィルスに感染したり、 オペレーティングシステムの不具合でめちゃくちゃにされてしまった時には、 BIOS に対してドライブを論理的に交換するように指示することで簡単に復旧できるのです。 この方法はドライブのケーブルを交換するのと同じようなことなのですが、 ケースを開ける必要がありません。

SCSI コントローラを備えたシステムでは、 しばしば BIOS に拡張が施されており、同じように 7 台までのドライブの順番を組み換えることができるようになっています。

以上のような機能を便利に使っているユーザは、 FreeBSD では同じような結果にならないことに驚くかもしれません。FreeBSD は BIOS を利用しないため、論理 BIOS ドライブマッピング については知らないのです。 このため、特に同じ物理ジオメトリを持っているいくつかのドライブをデータのクローンとして使っている時に、 ややこしい状況になり得ます。

FreeBSD を使う時は、 インストール前にドライブの番号付けが自然なものになるように、 必ず BIOS の設定を戻しておきましょう。 もしドライブの番号付けを変更する必要がある場合には、 ケースを開けジャンパーやケーブルを移動してください。

3.6.2. fdisk でスライス作成

sysinstall(8) で Standard インストールを選択すると、 次のメッセージが表示されるでしょう。

                                 Message
 In the next menu, you will need to set up a DOS-style ("fdisk")
 partitioning scheme for your hard disk. If you simply wish to devote
 all disk space to FreeBSD (overwriting anything else that might be on
 the disk(s) selected) then use the (A)ll command to select the default
 partitioning scheme followed by a (Q)uit. If you wish to allocate only
 free space to FreeBSD, move to a partition marked "unused" and use the
 (C)reate command.
                                [  OK  ]

                      [ Press enter or space ]

Enter を押すと、 カーネルがデバイス検出時に見付けた、 すべてのハードドライブのリストが表示されます。 図3.13「fdisk を実行するディスクの選択」ad0 および ad2 と名付けられた 2 つの IDE ディスクをもつシステムの例です。

図3.13 fdisk を実行するディスクの選択
fdisk を実行するディスクの選択

この画面では、一覧に ad1 が表示されていないことに注目してください。

一つ目はプライマリ IDE コントローラのマスタ、 二つ目はセカンダリ IDE コントローラのマスタとして接続している 2 つの IDE ハードディスクを考えてください。 もし FreeBSD がこれらを ad0ad1 のように番号つけても、すべては動作するでしょう。

しかし、その後プライマリ IDE コントローラのスレーブとして 3 つ目のディスクを追加したとしたら、 それはたった今 ad1 となり、 以前の ad1ad2 となるでしょう。 デバイス名はファイルシステムを見つけるのに使われるため、 ファイルシステムのいくつかは突然正しく現れなくなるかもしれず、 FreeBSD の設定を変更する必要があるでしょう。

これを解決するために、ディスクが見つかった順番ではなく、 どこに接続されているかということに基づいて IDE ディスクを名前づけするようにカーネルを設定できます。 この機構によって、セカンダリ IDE コントローラのマスタディスクは、 たとえ ad0 または ad1 デバイスがないとしてもいつでも ad2 になるでしょう。

この設定は FreeBSD カーネルの標準設定です。 これがこの例で画面に ad0 および ad2 が表示される理由です。 このスクリーンショットが得られたマシンには、 IDE コントローラの両方のマスタチャネルにディスクがあり、 スレーブチャネルにはありません。

FreeBSD をインストールしたいディスクを選択して、 [ OK ] を押してください。 図3.14「典型的な FDisk パーティション」 のような表示とともに Fdisk が起動するでしょう。

Fdisk の画面は三つのセクションに分かれます。

一つ目のセクションは、これは表示の先頭二行にわたっているのですが、 現在選択されているディスクの詳細を表示します。 ディスクの詳細には FreeBSD でのデバイス名、ディスクのジオメトリ、 そしてディスクの全容量が含まれます。

二つ目のセクションは現在ディスク上にあるスライスを表示します。 スライスの開始セクタと終了セクタ、大きさ、FreeBSD 上での名前、 種類とサブタイプが表示されます。 この例では、PC 上のディスクレイアウト機能が生み出した、 未使用の小さなスライスを二つ表示しています。 また大きな FAT スライスも一つ表示しています。 これは、Windows® において C: ドライブ、 および拡張スライスとして現れます (この場合、他のドライブレターとなりえます)。

三つ目のセクションは FDisk において利用可能なコマンドを表示します。

図3.14 典型的な FDisk パーティション
典型的な FDisk パーティション

今から行うことは、 どのようにディスクを分割するかによります。

FreeBSD をディスク全体にインストールするのであれば、 Use Entire Disk オプションを表す A キーを押してください。 この場合、このディスクのすべてのデータは削除されます。 存在しているスライスは取り除かれ、 unused の小さな領域と、 FreeBSD のための大きなスライスへ置きかわるでしょう。 次に方向キーを使って新しく作成された FreeBSD スライスを選択し、スライスに起動可能の印をつけるために S キーを押してください。 そのとき、画面の見た目は 図3.15「ディスク全体を使う FDisk 構成」 とよく似たものとなるでしょう。 Flags 列の A に注意してください。 これはこのスライスが アクティブ で、 ここから起動することを示します。

FreeBSD のための空き領域を作成するために、 存在しているスライスを削除しようとしているのなら、 方向キーをつかってスライスを選択して D キーを押してください。 それから C キーを押すと、 作成したいスライスの大きさの入力を促されます。 適切な数字を入力して Enter キーを押してください。 この欄に表示されているデフォルト値は、 スライスに対して割り当てることのできる最大の値です。 この値は、割り当てられていない領域の連続したブロック、または、ハードディスクの全サイズです。

FreeBSD のための空き領域を既に作成しているなら、 そのときは C キーを押して新しいスライスを作成できます。 再び、作成したいスライスの大きさの入力を促されるでしょう。

図3.15 ディスク全体を使う FDisk 構成
ディスク全体を使う FDisk 構成

終了したら Q キーを押しください。 あなたの変更は sysinstall(8) 内に保存されるでしょう。 しかし、まだディスクには書きこまれません。

3.6.3. ブートマネージャのインストール

次のメニューでは、 ブートマネージャをインストールするかどうかを選択します。 一般的に、次の場合は FreeBSD ブートマネージャをインストールするべきです。

  • 二つ以上のドライブがあり、 一番目のドライブ以外に FreeBSD をインストールする場合

  • FreeBSD を同じディスク内に他の OS と共存させてインストールしており、 コンピュータを起動する際に FreeBSD か他の OS かを選択したい場合

もし、コンピュータに FreeBSD のみをインストールするのであれば、 最初のハードディスクにインストールし、 Standard ブートマネージャを選択してください。 もし、FreeBSD をブート可能なサードパーティ製のブートマネージャを使うのであれば、 None を選択してください。

選択をして Enter キーを押してください。

図3.16 sysinstall ブートマネージャメニュー
sysinstall ブートマネージャメニュー

F1 キーを押すと表示されるヘルプ画面では、 ハードディスクを OS 間で共有する場合に起こり得る問題について議論しています。

3.6.4. 他のドライブのスライスの作成

二つ以上ドライブがある場合、 ブートマネージャを選択した後、ドライブ選択画面に戻ります。 FreeBSD を二つ以上のディスクにインストールしたいのなら、 他のディスクを選択し、FDisk を用いてスライス作成の作業を繰りかえしてください。

重要:

一番目以外のドライブに FreeBSD をインストールするのであれば、 両方のドライブに FreeBSD のブートマネージャをインストールする必要があります。

図3.17 ドライブ選択の終了
ドライブ選択の終了

Tab キーを押して、 最後に選択したドライブと [ OK ] および [ Cancel ] の間を切りかえてください。

[ OK ] に移るために Tab キーを一度押し、 それからインストールを続けるために Enter キーを押してください。

3.6.5. disklabel でパーティション作成

次に、作成したばかりのスライス内にパーティションをいくつか作成してください。 それぞれのパーティションには a から h までの文字がつけられ、 b, c そして d パーティションは守るべき慣習的な意味を持っています。

特定のアプリケーションは、特別のパーティション構成 (特に二つ以上のディスクにわたってパーティションを構成している場合) から利益を得ることができます。 しかしながら、はじめて FreeBSD をインストールする場合、 ディスクをどのようにパーティションに区切るか、 ということをあまり大げさに考えることはありません。 FreeBSD をインストールして使い方を学びはじめることの方がより重要です。 オペレーティングシステムにより詳しくなった後、 いつでも FreeBSD を再インストールすることで、 パーティション構成を変更できます。

以下は四つのパーティション : 一つはスワップ領域、 三つのファイルシステム、の構成です。

表3.2 一つ目のディスクのパーティションレイアウト
パーティションファイルシステムサイズ説明
a/1 GBこれはルートファイルシステムです。 他のファイルシステムはすべてこの下のどこかにマウントされるでしょう。 ユーザのファイルはここに格納されず、また、 通常の FreeBSD インストールでは、 ここに配置するデータは約 128 MB なので、 1 GB はこのファイルシステムに手ごろなサイズです。
bなしメモリの 2-3 倍

b パーティションには、 システムのスワップ領域が保持されています。 スワップ領域の正しい容量を決めることは、 ちょっとした芸術かもしれません。 確実な経験則は、物理的なメモリ (RAM) の 2-3 倍のサイズのスワップ領域とするように、としています。 また、最低 64 MB のスワップを確保するといいでしょう。 したがって、コンピュータが 32 MB 未満のメモリを搭載している時は、 スワップ領域を 64 MB にしてください。 二つ以上のディスクがあるときには、 それぞれのディスクにスワップを置くことができます。 FreeBSD はそれぞれのディスクをスワップに用い、 スワップ動作を効果的に高速化させるでしょう。 この場合、必要とするスワップサイズの合計を計算し、 それぞれのディスクに置くスワップサイズを求めるために、 ディスク数で割ってください。

e/var512 MB 〜 4096 MB/var には、ログファイルやその他の管理ファイルといった、 絶えず変化するファイルが保存されています。 これらのファイルの多くは FreeBSD の毎日の動作の間に広範囲にわたって読みこまれ、 書きこまれます。 (訳注: /とは) 別のファイルシステムにこれらのファイルを置くことは、 異なったアクセス頻度のディレクトリ内にある他のファイルに影響を与えずに、 FreeBSD がこれらのファイルへのアクセスを最適化することを可能とします。
f/usrディスクの残り (少なくとも 8 GB)他のすべてのファイルは、主に /usr およびそのサブディレクトリ内に保存されます。

警告:

上記のサイズの値は、例として載せたものです。 経験のあるユーザのみが使ってください。 FreeBSD パーティションエディタの Auto Defaults で選択できる自動パーティションレイアウトが推奨されています。

二つ以上のディスクに FreeBSD をインストールしようとしているのなら、 設定した他のスライスにもパーティションを作成しないといけません。 最も簡単な方法は、 それぞれのディスクに二つのパーティションを作成することです。 一つはスワップ領域、 そして一つはファイルシステムのためのパーティションです。

表3.3 残りのディスクのパーティション構成
パーティションファイルシステムサイズ説明
bなし説明を参照スワップ領域をそれぞれのディスクにわたって分割できます。 たとえ a パーティションが (訳注: そのスライスに) ないとしても、 慣習により、スワップ領域は b パーティションとなります。
e/disknディスクの残りディスクの残りは一つの大きなパーティションとなります。 これは e パーティションの代わりに、 a パーティション上へ簡単に置くことができるかもしれません。 しかしながら慣習により、スライス上の a パーティションはルート (/) ファイルシステムとなるファイルシステムのために予約されています。 この慣習にしたがう必要はありませんが sysinstall(8) はこのように設定します。 したがってこの慣習に従うことで, インストールが少しだけわかりやすくなります。 このファイルシステムをマウントする場所はどこにでも選択できます。 この例では、これらを /diskn としてマウントするよう提案しています。 ここで n はそれぞれのディスクごとに変更する数字です。

パーティション構成を決めたら、 sysinstall(8) を用いて作成してください。

                                 Message
 Now, you need to create BSD partitions inside of the fdisk
 partition(s) just created. If you have a reasonable amount of disk
 space (1GB or more) and don't have any special requirements, simply
 use the (A)uto command to allocate space automatically. If you have
 more specific needs or just don't care for the layout chosen by
 (A)uto, press F1 for more information on manual layout.

                                [  OK  ]
                          [ Press enter or space ]

Disklabel と呼ばれる FreeBSD パーティションエディタを使うために、 Enter キーを押してください。

図3.18「sysinstall ディスクラベルエディタ」Disklabel を起動したときの画面表示です。 この画面は三つのセクションに分かれています。

はじめの数行は現在作業しているディスクの名前、 そして作成しようとしているパーティションを含むスライスを表示します この時点で Disklabel はスライスのことをスライス名ではなくパーティション名と呼びます 。 この画面はスライス内の空き領域の合計も表示しています。 この空き領域はスライス内に存在していて、 しかしまだパーティションに割り当てられていない領域です。

画面の中段は作成したパーティションを表示しています。 それぞれのパーティションが含むファイルシステムの名前、サイズ、 ファイルシステム作成にまつわるいくつかのオプションが表示されます。

画面の下段にある三つ目のセクションは disklabel で有効なキー操作を表示します。

図3.18 sysinstall ディスクラベルエディタ
sysinstall ディスクラベルエディタ

Disklabel は自動的にパーティションを作成し、 デフォルトのサイズを割りあてます。 デフォルトのサイズは、 ディスクのサイズからパーティションサイズを決めるアルゴリズムによって計算されます。 A キーを押すと、 図3.19「デフォルトの自動割り当てによる sysinstall ディスクラベルエディタ」 とよく似た画面が表示されます。 デフォルトのサイズは使用しているディスクのサイズに依存するので、 希望するサイズになることもあるし、ならないこともあるでしょう。

注記:

デフォルトのパーティション構成では、 /tmp に対して、 / パーティションの一部ではなく、 それ自身のパーティションを割り当てます。 このことは、一時ファイルによって / パーティションがあふれてしまうことを防ぐのに役立ちます。

図3.19 デフォルトの自動割り当てによる sysinstall ディスクラベルエディタ
デフォルトの自動割り当てによる sysinstall ディスクラベルエディタ

デフォルトのパーティションを変更するには、 方向キーを用いて一番目のパーティションを選択し、 D キーを押して削除してください。 この作業を繰り返して、 提案されたすべてのパーティションを削除してください。

一番目のパーティション (/ としてマウントされる a) を作成するには、 画面の先頭の適切なディスクスライスが選択されていることを確認して、 C キーを押してください。 図3.20「ルートパーティションに割りあてる容量」 に示されるような、 新しいパーティションのサイズの入力をうながすダイアログが現れます。 使用したいサイズをブロック数で入力するか、 数字の後に M をつけてメガバイト単位 、 G をつけてギガバイト単位 、 C をつけてシリンダ単位で入力してください。

図3.20 ルートパーティションに割りあてる容量
ルートパーティションに割りあてる容量

(訳注: ダイアログに) 表示されるデフォルトのサイズは、 スライスに残っているサイズのパーティションを作成するでしょう。 上述したパーティションサイズを用いる場合は Backspace キーを用いて表示されている数字を削除し 図3.21「ルートパーティションサイズの編集」 のように 512M と入力してください。そして [ OK ] を押してください。

図3.21 ルートパーティションサイズの編集
ルートパーティションサイズの編集

パーティションのサイズを入力すると、 次にインストーラは、このパーティションがファイルシステムなのか、 それともスワップ領域なのかを聞いてきます。 図3.22「ルートパーティションタイプの選択」 のようにダイアログが表示されます。 この一番目のパーティションにはファイルシステムが含まれるので、 FS を選択し、 Enter キーを押します。

図3.22 ルートパーティションタイプの選択
ルートパーティションタイプの選択

最後に Disklabel に対して、 このファイルシステムがどこにマウントされるか教えなければなりません。 図3.23「ルートのマウントポイント選択」 のようなダイアログが表示されます。 / と入力し Enter キーを押してください。

図3.23 ルートのマウントポイント選択
ルートのマウントポイント選択

画面は更新されて、 新しく作成したパーティションが表示されます。 この作業を繰りかえして、 他のパーティションを作成してください。 スワップパーティションを作成したときには、 ファイルシステムのマウントポイントの入力は促されません。 最後のパーティションの /usr を作成するときは、表示されたサイズをそのままにしておいて、 スライスに残っているサイズを使用してください。

最終的な FreeBSD ディスクラベルエディタの画面は、 選択された数値は異なっているかもしれませんが、 図3.24「sysinstall ディスクラベルエディタ」 のようになるでしょう。 Q キーを押して終了します。

図3.24 sysinstall ディスクラベルエディタ
sysinstall ディスクラベルエディタ

本文書、および他の文書は ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/doc/ からダウンロードできます。

FreeBSD に関する質問がある場合には、 ドキュメント を読んだ上で <questions@FreeBSD.org> まで (英語で) 連絡してください。

本文書に関する質問については、 <doc@FreeBSD.org> まで電子メールを (英語で) 送ってください。