3.3. インストール前に行う作業

3.3.1. コンピュータの部品一覧を作る

FreeBSD をインストールする前に、 コンピュータで使用している部品の一覧を作っておくといいでしょう。 FreeBSD のインストールルーチンでは、ハードディスク、ネットワークカード、 CDROM ドライブなどの部品を、モデル番号、メーカー名とともに表示します。 さらにこれらのデバイスについて、使用する IRQ, I/O ポートまで含めて正しい設定を認識しようと試みます。 しかし、コンピュータのハードウェアによっては、 この過程が完全に成功するとは限らず、 手動で修正しなければならないこともあります。

既に別のオペレーティングシステムがインストールされているのであれば、 それらのオペレーティングシステムでのハードウェアの設定を参考にすると良いでしょう。 拡張カードなどの設定がよく分からない場合は、 カードそのものに印刷されていることもあります。 よく使われる IRQ は 3, 5, 7 で、I/O ポートアドレスは通常 0x330 のような 16 進数で書かれています。

FreeBSD をインストールする前に、 これらの情報を印刷するか書き留めておくことを勧めます。 例えば次のような表です:

表3.1 サンプルデバイス一覧
デバイスの名前IRQI/O ポートメモ
1 台目のハードディスクN/AN/A40 GB, Seagate 製、プライマリ IDE マスタ
CDROMN/AN/Aプライマリ IDE スレーブ
2 台目のハードディスクN/AN/A20 GB, IBM 製、セカンダリ IDE マスタ
1 つ目の IDE コントローラ140x1f0
ネットワークカードN/AN/AIntel® 10/100
モデムN/AN/A3Com® 56K ファックスモデム、COM1 に接続

コンピュータで使用している部品の一覧を作成したら、 インストールする FreeBSD のリリースのハードウェア要件を満たしているかどうかを確認してください。

3.3.2. データのバックアップ

コンピュータに価値のあるデータが入っている場合には、 FreeBSD をインストールする前に、データのバックアップをとり、 さらに正しくバックアップがとれていることを確認して下さい。FreeBSD のインストーラは、ハードディスクに実際に書き込む前に確認を求めますが、 一度実際に書き込む作業が始まってしまうと、 もう元に戻すことはできません。

3.3.3. FreeBSD をインストールする場所の決定

ハードディスク全体に FreeBSD をインストールする場合には、 この節は読み飛ばしてください。

しかし FreeBSD を他のオペレーティングシステムと共存させる必要がある場合は、 データがディスクにどのように配置されるかを大まかに理解する必要があります。

3.3.3.1. FreeBSD/i386 アーキテクチャでのディスクレイアウト

PC のディスクは、 パーティション と呼ばれる、 個別の塊に分割することができます。 FreeBSD は内部にもパーティションを持つので、この名称は混乱をおこします。 そのため、FreeBSD ではこの塊をスライスと呼びます。 たとえば、fdisk(8) の FreeBSD 版は、 パーティションではなくスライスと呼びます。 PC では、ディスク 1 台あたり 4 つまでパーティションを作成できます。 これらのパーティションはプライマリパーティションと呼ばれます。 この制限を回避し、 4 つ以上のパーティションを作成するために拡張パーティションと呼ばれる新しいパーティション形式が作られました。 ディスク 1 台につき 1 つだけ拡張パーティションを作成できます。 論理パーティションと呼ばれる特別のパーティションは、 この拡張パーティションの内部に作成できます。

それぞれのパーティションは、 そのパーティションに含まれるデータの形式を示す数字である、 パーティション ID を持ちます。FreeBSD パーティションのパーティション ID は 165です。

通常、各オペレーティングシステムは、 それぞれ独自の方法で個々のパーティションを識別します。 たとえば Windows® は、 プライマリパーティションおよび論理パーティションそれぞれに C: から始まる ドライブレターを割り当てます。

FreeBSD はプライマリパーティションにインストールしなければなりません。 複数のディスクがある場合は、そのうちのいくつか、もしくはすべてに、 FreeBSD パーティションを作成することもできます。 FreeBSD をインストールする時は 少なくとも 1 つのパーティションを使用可能にしておかなければなりません。 このパーティションは、空白のパーティション、 もしくは無くなっても構わないデータしか入っていない、 既存のパーティションでも構いません。

すべてのディスクのすべてのパーティションが使用されている場合は、 他のオペレーティングシステムで提供されているツール (たとえば Windows® の fdisk) を使用して、 そのうちの 1 つを FreeBSD のために解放してください。

予備のパーティションがある場合には、それを使ってください。 もし、利用できる容量が少なければ、 1 つまたは複数の既存のパーティションを縮小して、 利用できる容量を確保してください。

FreeBSD の最小のインストールには、100 MB 程度のディスク容量が必要です。 しかしこれは非常に小さなインストールであり、 自分のファイルを作成するスペースはほとんど残らないでしょう。 現実的には、グラフィカルな環境が必要ないのであれば 250 MB、 グラフィカルユーザインタフェースを使用するのであれば 350 MB 以上は必要でしょう。 その上、サードパーティ製ソフトウェアをインストールするならば、 さらに多くのスペースが必要になるでしょう。

FreeBSD のためのスペースを用意する際、 パーティションサイズを変更するために、 GParted などのツールを使用できます。 GParted は、 NTFS を操作することができ、 SystemRescueCD といった多くの Live CD Linux ディストリビューションで利用できます。

警告:

パーティションサイズを縮小するツールの使用方法を誤ると、 ディスク上のデータが消えてしまう可能性があります。 この種のツールを使う際には、 使用前に必ず最新のデータのバックアップをとって下さい。

例3.1 既存のパーティションを変更せずに使用

既に Windows® がインストールされている 4 GB のハードディスクが 1 台接続されており、そのハードディスクは 2 つのドライブレター C: および D: に分割されており、それぞれのサイズが 2 GB であるとします。 C: には 1 GB, D: には 0.5 GB のデータがあるとします。

ディスクには、ドライブレター 1 つあたり 1 つのパーティション、 合計で 2 つのパーティションがあることを意味します。 この場合、D: にあるデータをすべて C: にコピーすれば、 2 つ目のパーティションを解放し、FreeBSD のために使うことができるでしょう。


例3.2 既存のパーティションを縮小する

既に Windows® がインストールされている 4 GB のハードディスクが 1 台接続された PC を使用しているとします。さらに Windows® をインストールする際、1 つの大きなパーティションを作成し、 C: ドライブとして 4 GB を割り当てたとします。 現在 1.5 GB 使用しており、FreeBSD で 2 GB 使いたいとします。

FreeBSD をインストールするためには、 以下のどちらかを行わなければなりません。

  1. Windows® のデータをバックアップし、インストール時に 2 GB のパーティションを作成して Windows® を再インストールする。

  2. 先に述べた Windows® パーティションを縮小するツールを使用する。


3.3.4. ネットワーク設定の詳細をまとめる

FTP サイトまたは NFS サーバからインストールする場合は、 ネットワークの設定を知る必要があります。 インストールを完了するためにネットワークに接続できるよう、 これらの情報をインストーラのプロンプトに入力する必要があります。

3.3.4.1. イーサネットもしくはケーブル / DSL モデムでの接続

イーサネットネットワークに接続する場合や、 ケーブル / DSL モデム経由でイーサネットアダプタを利用してインターネットに接続する場合は、 次の情報が必要になります:

  1. IP アドレス

  2. デフォルトゲートウェイの IP アドレス

  3. ホスト名

  4. DNS サーバの IP アドレス

  5. サブネットマスク

これらの情報がわからなければ、 システム管理者かサービスプロバイダに問い合わせて下さい。 DHCP を使用して、この情報を自動的に割り当てることもあります。

3.3.4.2. モデムを使用した接続

非常に長い時間がかかりますが、 ダイアルアップモデムを使って、 インターネット経由で FreeBSD をインストールできます。

この場合、以下の内容をあらかじめ確認しておく必要があります:

  1. インターネットサービスプロバイダ (ISP) にダイアルする際の電話番号

  2. 接続に使用する COM: ポート

  3. ISP のアカウントのユーザ名及びパスワード

3.3.5. FreeBSD Errata の確認

FreeBSD プロジェクトでは FreeBSD の各リリースができる限り安定するよう努力していますが、 時々バグが発生してしまうことがあります。極まれに、 発生したバグによりインストールプロセスに影響を与えることがあります。 これらの問題は発見され解決されるとともに、 FreeBSD のウェブサイトの FreeBSD Errata に掲示されます。 注意すべき既知の問題が無いことを確かめるために、インストールする前に Errata を確認してください。

Errata を含む、すべてのリリースに関する情報は、 FreeBSD のウェブサイトリリース情報 の項で確認することができます。

3.3.6. FreeBSD インストールファイルの入手

FreeBSD のインストーラは、 以下のいずれかの場所に置いてあるファイルから FreeBSD をインストールします。

ローカルメディア
  • CDROM または DVD

  • USB メモリスティック

  • 同じコンピュータ上の MS-DOS® パーティション

  • フロッピーディスク (FreeBSD/pc98 のみ)

ネットワーク
  • ファイアウォール経由または HTTP プロキシを利用した FTP サイト

  • NFS サーバ

  • パラレルまたはシリアル専用接続

購入した CD または DVD から FreeBSD をインストールするのであれば、 「ブートメディアの準備」 を読み飛ばしてください。

FreeBSD のインストールファイルを入手するには、 「カスタムインストールメディアの準備」 まで読み飛ばしてください。 インストールメディアをどのように準備すれば良いか説明しています。 このセクションを読み終わった後、ここに戻ってきて、 「ブートメディアの準備」 を読んでください。

3.3.7. ブートメディアの準備

FreeBSD のインストールプロセスは、FreeBSD インストーラでコンピュータを起動することから始まります。 インストーラは、 別のオペレーティングシステムで実行するプログラムではありません。 通常、コンピュータはハードディスクにインストールされたオペレーティングシステムから起動しますが、 CDROM や USB ディスクから起動するように設定することもできます。

ヒント:

CDROM および DVD からの起動が可能な BIOS を持つコンピュータに CDROM または DVD をインストールするのであれば、 この節を飛ばしてください。 FreeBSD の CDROM と DVD イメージは起動可能であり、 他の特別な準備をすることなく FreeBSD のインストールで利用できます。

起動可能なメモリスティックを作成する場合には、 以下の手順にしたがってください。

  1. メモリスティックのイメージの取得

    FreeBSD 8.X のメモリスティックのイメージは、 ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/releases/arch/ISO-IMAGES/version/FreeBSD-version-RELEASE-arch-memstick.imgISO-IMAGES/ ディレクトリからダウンロードできます。 ここで、 archversion の部分を、 それぞれインストールするアーキテクチャとバージョン番号に置き換えてください。 たとえば、FreeBSD/i386 9.3-RELEASE のメモリスティックのイメージは、ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/releases/i386/ISO-IMAGES/9.3/FreeBSD-9.3-RELEASE-i386-memstick.img から入手できます。

    ヒント:

    FreeBSD 9.0-RELEASE からは、 異なるディレクトリパスが使われています。 FreeBSD 9.X のダウンロードとインストールの詳細については、 2章FreeBSD のインストール (9.X 以降の場合) で説明します。

    メモリスティックイメージには、.img という拡張子がついています。ISO-IMAGES/ ディレクトリには複数の異なるイメージがあり、 用いるべきイメージは、 FreeBSD のバージョンやインストールするハードウェアが対応しているメディアに依存します。

    重要:

    以下の作業によってデータが消去されるので、 先に進む前に、使用する USB スティックにあるデータをバックアップしてください。

  2. イメージファイルをメモリスティックに書き込む

    手順3.1 FreeBSD を使ってイメージを書き込む

    警告:

    以下の例では、起動するデバイスを /dev/da0 としています。 適切なデバイスを出力先に設定していることを十分確認してくだい。 さもなければ、現在あるデータを破壊してしまうでしょう。

    • イメージを dd(1) を使って書き込む

      .img ファイルは、 単純にメモリスティックにコピーされるような、 通常のファイルではありません。 ディスクの内容の完全なイメージです。 したがって、dd(1) を使用して、 直接ディスクにイメージを書き込む必要があります。

      # dd if=FreeBSD-9.3-RELEASE-i386-memstick.img of=/dev/da0 bs=64k

      Operation not permitted エラーが表示されたら、ターゲットデバイスが他で利用されていないかどうか、 マウントされていないかどうか、 他のプログラムが自動的にマウントしていないかどうかを確認してください。 その後、もう一度実行してください。

    手順3.2 Windows® を使ってイメージを書き込む

    警告:

    以下のコマンドは、 指定したデバイスに現在あるデータを上書きして破壊してしまうので、 出力先に適切なドライブレターを設定していることを十分確認してくだい。

    1. Image Writer for Windows を入手する

      Image Writer for Windows は、 イメージファイルをメモリスティックに正しく書き込むことのできるフリーのアプリケーションです。 https://launchpad.net/win32-image-writer/ からダウンロードして、フォルダに展開してください。

    2. イメージライタを使ってイメージを書き込む

      Win32DiskImager アイコンをダブルクリックして、プログラムを起動します。 Device の下に表示されるデバイスレターが、 メモリスティックのドライブであることを確認してください。 フォルダのアイコンをクリックして、 メモリスティックに書き込むイメージファイルを選択します。 Save をクリックして、 イメージファイルの名前をアクセプトしてください。 すべてが正しく行われたかどうか、また、 他のウィンドウでメモリスティックのフォルダが開かれていないことを確認してください。 最後に、Write を押して、ドライブにイメージファイルを書き込みます。

FreeBSD/pc98 のインストール用に起動フロッピーディスクを作成するためには、 次のステップに従って下さい:

  1. 起動フロッピーイメージの取得

    FreeBSD/pc98 のブートディスクは、 floppies ディレクトリ、 ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/releases/pc98/version-RELEASE/floppies/. から入手できます。 ここで version の部分を、 それぞれインストールするバージョン番号に置き換えてください。

    フロッピーイメージは .flp という拡張子がついています。 floppies/ には複数の異なるイメージがあります。 boot.flp とともに、 kern.small* または kern* といったインストールの種類に関連づいた複数のファイルをダウンロードしてください。

    重要:

    FTP プログラムを使用してこれらのディスクイメージをダウンロードする時は、 必ずバイナリモードにして下さい。 Web ブラウザによっては テキスト または アスキー モードでダウンロードするものがあり、 ディスクから起動できないときは大抵これが原因です。

  2. フロッピーディスクの用意

    ダウンロードしたイメージファイル 1 つにつき 1 枚のフロッピーディスクを用意してください。 これらのディスクに欠陥があってはいけません。 これを確認する最も簡単な方法は、 自分自身でフォーマットしてみることです。 フォーマットする前のフロッピーを信用してはいけません。 Windows® のフォーマットユーティリティは、 不良ディスクがあっても教えてはくれないでしょう。 それらを bad とマークして、無視するだけです。 新品のフロッピーを使うことをお薦めします。

    重要:

    インストーラがクラッシュしたりフリーズしたり、 おかしな動作をした時、 まずはじめに疑うべきもののうちの 1 つはフロッピーです。 フロッピーイメージを新しいディスクに書き込んで、 もう一度試してみて下さい。

  3. フロッピーディスクへイメージファイルを書き込む。

    .flp ファイルは、 ディスクにコピーできるような、 通常のファイルではありません。 完全なディスクの内容のイメージです。 イメージを直接ディスクに書き込む特別なツールを使用する必要があります。

    FreeBSD は、Windows® が動作しているコンピュータでフロッピーを作成する rawrite と呼ばれるツールを提供しています。 このツールは FreeBSD の FTP サイト上の ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/releases/pc98/ version-RELEASE/tools/ からダウンロードできます。 このツールをダウンロードしたら、フロッピーを挿入してください。 その後、ファイル名を指定してフロッピードライブに書き込んでください。

    C:\> rawrite boot.flp A:

    毎回フロッピーディスクを入れ換え、 ファイルの名前を示すラベルを付けながら、 それぞれの .flp ファイルに対してこのコマンドを繰り返します。 .flp ファイルを置いた場所に応じて、 コマンドラインを変更して下さい。

    FreeBSD システムのような、 UNIX®-like システムでフロッピーへの書き込みを行う場合は、 イメージファイルを直接ディスクに書き込むために dd(1) を使ってください。FreeBSD 上では、 次のように実行してください。

    # dd if=boot.flp of=/dev/fd0

    FreeBSD においては、/dev/fd0 が 1 台目のフロッピーディスクドライブを表します。 他の UNIX® システムでは、 フロッピーディスクデバイスには別の名前がついているかもしれないので、 必要に応じてそのシステムのドキュメントを確認して下さい。

これで FreeBSD をインストールする用意ができました。

本文書、および他の文書は ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/doc/ からダウンロードできます。

FreeBSD に関する質問がある場合には、 ドキュメント を読んだ上で <questions@FreeBSD.org> まで (英語で) 連絡してください。

本文書に関する質問については、 <doc@FreeBSD.org> まで電子メールを (英語で) 送ってください。